ストックホルム空港
国際線から国内線への乗り換えは、端から端へ移動する必要があり、慣れないと大変である。
国内線の待合エリアについた。飛行場と同じ高さに作られた待合室。外気の冷気と遮断する二重ガラスから見える外気は龍角散が舞い散る灰色の明るい空間。暴風壁の向こうに双発のプロペラ機が駐機している。やがて、インフォメーションが流れ、機上する便と分かる。チームメンバーと機上の椅子に座るが、なんとなく、安物のバスに乗せられている気持ちが先行する。左側に丸い小さな窓があり、その窓を通して、今まで座っていた快適な待合室がガラス越しに見える。『なんと、遠くの冷たい僻地に来たことか?』 開け放された扉を目の前にした席を選んでしまった当方。その扉から、粉雪が風に乗せられて吹き込んでくる。
離陸
やがて、離陸時間になったのだろう。タラップは外され、中の乗員と外の地上員が同時に扉を閉め、プロペラが回り始めた。プロペラ機は、何回か乗っているが、こんな寒い地域で乗ったのは久しい。飛行場をひらりと離陸し、真っ白く塗られた建物と道路、人工的な塊のエリアを通過し、深緑の針葉樹林と白い直線の防災帯が規則正しく続く。どこまでも続く。
中間点に着陸
1時間程度、飛んだだろうか? 何もない平原に作られた人工的な滑走路に着陸し、扉を開く。外部から、冷気が入り込んでくる。機内から重たいコートを着たサラリーマンが何人も降りていく。パイロットも降りていき、機内に残っているのは、最終目的地へ移動する人々である。でも、すぐに乗り込んでくる人はいない。窓から外を見ると、ピンク色の粉を主翼に吹き付けている。後で分かったが、融雪剤を吹き付けていたとのこと。搭乗までの時間、扉は開きっぱなし。冷気が否応なしに侵入してくる。ローカル便は、アメリカでも同じような感じではあるが、違うのは氷点下の飛行場である点。
最終目的地へ
機内で座って待っている間、時間の流れがゆっくり過ぎるのを感じた。これは何だろうか?不思議な感覚であった。やがて、何人かの人々とパイロットが機上の人となる。機内の空気感が変わり、ローカル色が優先したようだ。飛行機は、エンジン音が大きくなり、機体が滑走路を滑っていく。短い滑走距離でフワッと浮かび上がり、北をめざし、針葉樹林の森の上を滑っていく。針葉樹林と白い防災帯以外、変化しない窓の外。瞼が重くなってきた。時差ボケかな? 夢の中で、滑走路に着陸した。身体に着陸の小さなショックが伝わる。目を開けると、窓から建物が通り過ぎるのが見えた。夢ではなく現実に地上の人となったのだ。大きく右に旋回し、建物に並んで停まる。


タラップから地上に降り立つと、濃い色の青空と頬を突き刺す冷気。建物の扉に歩き出すと、左後ろから預けたトランクを載せたキャリーが建物の荷物受取口へと抜き去っていった。飛行場の到着口を過ぎ、成田で預けたトランクを受け取り、次はレンタカーカウンターへ。今回は、チームで移動しているので、国際免許証を若手に渡し、手続きを頼み、飛行場ロビーまわりを散策。小さな飛行場なので、ロビーも狭い。路線バスの待合室のようだ。でも、国内国外関係なく寒い地域共通なようで、暑すぎる。