レンタカーを借りる
上着を片手に持って、レンタカーの手続きを待つ。
初めての海外寒地だし、飛行場から寒地試験基地までは、自分たちで移動しなければならない。生業として、4WD駆動系システムを開発している我々は、レンタカーと言えども、4WDを選ぶに決まっている。
4WD調査も兼ねて出張時のレンタカーは、顧客以外の車両をレンタカーで選択する。
だから、北欧で著名なVOLVOを予約してきたのだが…。
雪国なのに 2WDのレンタカーがあるのか?
『4WD仕様で予約したのに、FR2WDしか準備できなかったですって。』 若手が叫んだ。
この飛行場を利用するほとんどが、自動車開発関係者。秘匿車狙いのパパラッチもまぎれてくる。レンタカーも予約がいっぱいなのも頷ける。
『移動だけなので、2WDで仕方ないよ。そのまま借りよう!』と決定した。
この決定が、後日、裏目になることを、この時は知る由もない。
飛行場の南側にある駐車場から、借りたレンタカーを探し出し、荷物を積み込み、いざ、目的地の村へ出発!


VOLVOは、2WDしかなかった…4WDもあるのは『地球温暖化』のせい!
極寒地のスウェーデンは、4WDが当たり前と思っていたが、4WDが出てきたのは、極最近のことである。原因は、『地球温暖化』である。
過去は、極寒地であった。冬の期間は、終日、気温は、マイナス20℃を保っていた。路面は、冷たく、タイヤとの間の摩擦係数も高い。冬用として専用タイヤがあった。ノキアンタイヤだったかな?これなら2WD仕様でも冬の間は、十分安全に走行できていた。
だんだん、暖冬になり、日本の雪質に近くなり(水分が多い。タイヤとの摩擦係数が低くなる)、スリップする。曲がらない、登らない。やがて、アメリカで始まったオンデマンド4WDを搭載するようになってきた。